「是非よろしくお願いします」は、相手が頼みごとを受け入れてくれたときによく使われる言葉のひとつです。一見すると、丁寧な物言いのように考えられますが、「是非」という言葉からも明らかなように、少々強い表現でもあります。実際のところ、目上の人に使ってもよいのでしょうか?
この記事では、「”是非よろしくお願いします”は目上に使ってもよいのか?」という疑問に言及しています。言葉の意味や面接時の使い方もまとめているので参考にしてみてください。
「是非よろしくお願いします」の意味
「是非よろしくお願いします」とは、自分が強く希望する事柄をお願いするときに使います。具体的には、「何があったとしてもどうかよろしくお願いします」というニュアンスの意味を持っています。
「是非」は「どんな困難があったとしても」という意味合いを含んでおり、「よろしくお願いします」と組み合わされることで、相手に迫るような勢いでお願いする言葉になるのです。
営業でクライアントが商品やサービスの受注を検討すると返答した際に、担当者が「是非よろしくお願いします」と使うイメージです。
「是非よろしくお願いします」は目上の人に使ってもよい?
さて、「是非よろしくお願いします」は相手に強くお願いする言葉ですが、目上に人に使ってもよいのでしょうか?
結論から言えば、お願いしても差し支えない状況ならば、「是非よろしくお願いします」は上司やクライアントなどの目上の人に使っても違和感はありません。
ただし、強くお願いすることが失礼になる場合は、年齢や立場に関係なく使わないほうがよいでしょう。すなわち、具体的には、次のような場合は無礼になるおそれがあるので、「是非よろしくお願いします」とは言わないことを推奨します。
「是非よろしくお願いします」を目上の人に使わないほうが良いケース
- その1 相手が初対面でお願いを引き受ける立場にない場合
- その2 相手にお願いばかりするだけで何も返していない場合
上記のようなケースに該当する場合、「是非よろしくお願いします」と言うと「図々しいやつだ」と誤解されてしまうおそれがあるので注意してください。依頼しても差し支えない状況でのみ使うように心がけましょう。
「是非よろしくお願いします」の言い換え
「是非よろしくお願いします」という表現は、特定の状況や相手に対して適切でない場合があります。そのような場面で代わりに使用できる言い換えを以下に示します。
「是非よろしくお願いします」の言い換え
- よろしくお願いいたします:「是非」を取り除くことで、強い希望のニュアンスを和らげることができます。ビジネスの場面で広く使われる表現です。
- ご検討のほど、お願い申し上げます:具体的な要望や提案を伝えた後に使用すると、相手に検討を求める際に適切です。
- 何卒、ご理解のほどお願い申し上げます:相手に理解や協力を求める際に使用する表現で、丁寧な印象を与えます。
言葉の選び方一つで、相手に与える印象は大きく変わるため、慎重に選ぶことが重要です。「是非」という強い表現を避けることで違和感のない言い回しになるので意識してみましょう。
「是非よろしくお願いします」の英語・韓国語・中国語表現
「是非よろしくお願いします」という日本語の表現を他の言語で伝える際には、文化や言語の背景を考慮する必要があります。以下に、この表現を英語、韓国語、中国語でどのように伝えるかを示します。
「是非よろしくお願いします」の英語・韓国語・中国語表現
- 英語:「I would greatly appreciate it if…」や「I kindly request…」といった表現が近い意味を持ちます。具体的な文脈に応じて、”I would greatly appreciate your consideration.” などと使うことができます。
- 韓国語:「제발 부탁드립니다」(저발 부탁드립니다) は「是非よろしくお願いします」と似たニュアンスの表現です。しかし、文化や状況に応じて使い方が異なるため、注意が必要です。
- 中国語:「请务必帮忙」(Qǐng wùbì bāngmáng) や「请多关照」(Qǐng duō guānzhào) は「是非よろしくお願いします」と似た意味を持つ表現ですが、具体的な文脈や相手との関係性によって適切な表現を選ぶ必要があります。
ただし、これらの言語での表現は、日本語の「是非よろしくお願いします」と直接的な対応関係にあるわけではないため、相手や状況に応じて追加の言葉を補いましょう。
面接で「是非よろしくお願いします」は使ってもいい?
面接時に「是非よろしくお願いします」と使ってもよいのでしょうか?
これに関しては、「是非」という強い言葉を面接時に敢えて使う必要はありません。採用担当者のなかには「圧が強い」と敬遠する人もいるかもしれないので、「よろしくお願いします」というシンプルな言い方が妥当です。
もちろん、「御社に入りたい」という強い意思表示ができる言葉ではありますが、アピールする場所はそこではありません。クライアントにも同じように接せられたら困ると判断されると、合否に響いてしまうおそれがあるので、少しでもマイナスな影響が生まれるときは使わないのが無難です。
「是非よろしくお願いします」の例文
それでは、実際に「是非よろしくお願いします」という言葉はどのようなシーンで使われるのでしょうか? ここでは、具体的な例文をいくつか紹介します。
「是非よろしくお願いします」の例文
「新しいプロジェクトの提案をさせていただきました。是非よろしくお願いします。」
「参加させてください。是非よろしくお願いします」
「来月のセミナーに参加させていただきたいと考えております。是非よろしくお願いします。」
押しつけないようにしよう
「是非よろしくお願いします」は相手に強く依頼する言葉です。だからこそ、少々押し付けがましいと感じる人もいます。熱意を示すときには使えますが、丁寧な応対が求められるときは使用を控えましょう。
主役が相手なのか、それとも自分なのか。その状況によって違和感の有無が決まるので、敬語だからといって何でもよいわけではないので注意してくださいね。
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