日々、仕事で忙殺されている人たちのなかには、「休職したい」と悩んでいる方もいるはずです。特に、心身の不調を感じているならば、早めに休まないと取り返しのつかないことにもなりかねません。
とはいえ、いざ休職を検討しようにも何から手をつけてよいのかわからないですよね。実際のところ、仕事を休みたいと疲れたときはどうすればよいのでしょうか?
この記事では、「休職したい」と疲れたときにやるべき5つのことを解説しています。また、「休んだほうがいいサイン」も紹介しているので、働きすぎて辛い状況にいる人は参考にしてみてください。
休職したいと疲れたときにやるべき5つのこと
「休職したい」と疲れたときは健康状態をチェックすることをはじめ、自分の働き方を振り返る良い機会です。それにもかかわらず、今の状態を続けていくと、心身ともに疲弊してしまうので注意が必要です。ここでは、大きく5つの視点からやるべきことを紹介しているので、参考にしてみてください。
その1 心療内科で医師に相談する
第1に、「休職したい」と疲れたときは心療内科で医師に相談しましょう。
心身の健康状態は自分で勝手に判断するのは危険です。「これくらい大したことではない」と軽率に考えていると、SOSのサインを見落としてしまうおそれがあります。実際、「休職したい」と感じるまで自分を追い込んでいるのですから、まずはプロの視点から休職の必要性を調べてもらうのが一番です。
そして、いざ休職するときは医師の診断書が必要となります。そのため、できるだけ早めに心療内科の先生に相談しておくことで手続きもスムーズに進められるでしょう。一人で抱え込まずに専門家の助言を聞きながら、心身の回復に向けた具体的な計画を立てることが重要です。
その2 有給を取得してリフレッシュする
第2に、休職したいほど疲れたときは一度、有給を取得してリフレッシュすることも大切です。
仕事ばかりの毎日が続けば、だれだって疲労が蓄積してダウンするのは自然なことです。だからこそ、有給休暇を取得して、息抜きすることをおすすめします。旅行や趣味など、とにかく自分のために時間を使って過ごしてください。
とはいえ、なかには、有給が取得しづらい企業に勤めている人たちもいるはずです。しかし、有給は従業員の権利であり、法律で取得が義務付けられています。それにもかかわらず、休みを取れない雰囲気が蔓延いている職場は辞めたほうが身のためです。その意味では、転職を考えるきっかけとも言えます。
なお、有給を上手に活用するための具体的なステップは以下のとおりです。
有給を上手に活用するポイント
- その1 突然の休暇は職場の負担になるので可能な限り早めに申請する。
- その2 せっかく休暇を無駄にしないために具体的な過ごし方を計画する。
- その3 業務の引き継ぎを明確にして有給休暇中にトラブルが起きないようにする。
有給休暇は、自分の心と体の回復のための大切な時間です。適切に利用し、仕事とプライベートのバランスを保つことで、持続的なパフォーマンスを維持できるようになるでしょう。
その3 家族や友達に相談する
第3に、家族や友達に仕事で疲れていることを相談してみましょう。
心身が疲弊しているときはネガティブなことを考えがちです。一人で悶々としているよりも、家族や友達に自分の状況を伝えることで気持ちが軽くなるかもしれません。特に、あなたと同じような経験をしている知人に相談すると、具体的なアドバイスをもらうこともできるでしょう。
辛い状況を共有することで相手との信頼関係も強くなっていきます。「こんな話を聞いてもらうのは申し訳ない」と感じる人もいるかもしれませんが、仲が良いのに苦しい時に一言も相談がないのは寂しいものです。一人で抱え込まずに頼ることも大切なのです。
場合によっては、あなたの期待通りにコミュニケーションが取れないこともあるかもしれません。そのときは、幻滅せずに相談相手を選び直しましょう。それによって、あなたを本当に大切に思ってくれている存在にも気付けるはずです。
その4 上司に負担が大きいことを伝える
第4に、職場の上司や同僚に仕事の負担を大きいことを伝えるのも選択肢のひとつです。
残念ながら、会社組織では、どうしても出来る人に仕事が集まっていきます。その結果、あなたの負担ばかりが増える構造が生まれてしまうと、疲弊するのは当然です。それでも、顔色を変えずに頑張っていると、「この人なら大丈夫」と周囲も甘えてしまうわけです。
だからこそ、今、感じている仕事の辛さを上司や同僚にちゃんと伝えることが大切です。あなたが日頃から信頼されているなら周囲も受け止めてくれるはずです。それでも、わかってもらえずに適当に扱われたのなら、そんな職場で疲弊する必要はありません。見切りをつけて新しい仕事を探しましょう。
その5 自分の働き方を見直す
第5に、今後のことを含めて自分の働き方を総点検しましょう。
いうまでもなく、大半の人は生活のために仕事を続けなければなりません。だからこそ、持続可能な働き方が大切なのです。もちろん、出世するために人よりも努力することは重要です。しかし、体を壊せば、結局のところ、活躍できる道は閉ざされてしまうのです。
その意味では、自分の心身をメンテナンスすることも仕事をバリバリやりたい人たちにとっては必要不可欠なことだと言えます。
これを機会に休職して、10年後も継続できる仕事の仕方を見つめ直すきっかけにするのもよいと思います。厳しい世の中と言われていますが、働き方は多様化している分、選択肢も増えているのです。
休んだほうがよいサインは?
なお、「休職したい」と疲弊しているとはいえ、「本当に休むべきか?」を判断できずに困っている人たちもいるかもしれません。具体的に休んだほうがよいサインには、どのようなものがあるのでしょうか?
ここでは、日経BPで紹介された『その疲れは「休め」のサイン!あなたの疲労度は?』の記事で紹介されている疲労度チェックシートを紹介します。具体的には、以下の引用画像で10点以上になる場合は速やかんに休息を取ることをおすすめします。
日経BP『その疲れは「休め」のサイン!あなたの疲労度は?』より引用(最終確認日:2023年9月24日)
可能な限り、「休んだほうがよいかな?」と思ったら、医師に相談してください。自己判断はあくまでも目安として心身の状態を正確にチェックすることを推奨します。
休職までの具体的な流れ
実際に、休職しようと決めた場合には、以下の手順で手続きを進めることなります。
休職までの具体的な流れ
- 上司や人事部門との初期相談:まずは、休職の意向を上司や人事部門に伝えます。この際、休職の理由や希望する期間を明確に伝えましょう。
- 医師の診断書の取得:健康上の理由での休職を考えている場合、多くの企業で医師の診断書が求められます。早めに医師に相談し、必要な診断書を手配しましょう。
- 休職申請の手続き:休職の申請書を提出する場合、企業の指定するフォーマットに従って記入します。また、提出期限や必要な添付書類にも注意が必要です。
- 休職中の待遇の確認:休職中の給与や社会保険、福利厚生の取り扱いについて、事前に人事部門と詳しく確認しておきましょう。
休職は一時的なものであっても、その期間中の生活や復職後のキャリアに大きな影響を与える可能性があります。しっかりとした手続きと準備を行い、安心して休養を取ることが大切です。
無理せずに休もう
多くの労働者が「休む=怠ける」という誤った認識を持っていることが少なくありません。しかし、実際には、休養は生産性を高め、キャリアを長く続けるための必要不可欠な要素です。むしろ、無理を続けると、心身を壊して直すまでに相当な時間がかかることもあります。
もちろん、休職したことで閉ざされる道も現実的にあるかもしれません。しかし、活躍の仕方は多様化しており、今の職場以外にも選択肢はたくさんあります。状況の変化に応じて、キャリアを柔軟に考える力も必要です。ゆっくりと休みながら、未来に向けた自分のための作戦会議を始めましょう。
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