今の職場に不安を持っていなかったとしても、時には会社に行くのが嫌になることは、だれにだってあるはずです。長い人生の中で、全てが順風満帆にいくなんてことはあり得ません。
とはいえ、いざ自分が仕事が嫌いではないのにもかかわらず、「行きたくない」という感情が生まれたら、戸惑いますよね。実際のところ、どのような理由から億劫な気持ちが生まれてしまうのでしょうか?
この記事では、仕事が嫌じゃないけど行きたくない理由4選を紹介しています。また、上手に休む方法や転職を考えるきっかけについても紹介しているので、仕事に対してネガティブな感情を持っているわけではないのに行くのがしんどいと感じた人は参考にしてみてください。
仕事が嫌じゃないけど行きたくない理由4選
さて、気持ちとしては仕事が嫌じゃないのにもかかわらず、「行きたくない」という感情が生まれるのはどうしてなのでしょうか?
答えは一概に決めつけることはできませんが、ここでは代表的な4つの理由を考察していきます。
理由1 精神的に疲れている
第1に、自分の気づかないうちに精神的に疲れていることが原因であると考えられます。
不思議なことに、私たちは必ずしも自分が置かれているストレスフルな状況を認知できるとは限りません。特に、ストイックで真面目な性格な人ほど、限界を超えていることに気づかないまま、働き続けてしまうことがあるわけです。
心理学者はストレスを「心の警報システム」だと言います。すなわち、「仕事が嫌ではないのに行きたくない」という感情が生まれるのは、知らず知らずのうちにストレスが溜まっていて、心が悲鳴をあげているサインかもしれないのです。
理由2 身体的な疲労が溜まっている
第2に、身体的な疲労が溜まっていることから仕事に行くのが辛いと感じている可能性があります。
例えば、睡眠不足や適切な栄養摂取の欠如などは身体にとってストレスとなり、結果として過度な疲れを引き起こします。栄養学の視点から言っても、睡眠と食事は人間のパフォーマンスと直結しており、その不足が業務に対する意欲を奪うのは自然なことです。
心と体は繋がっています。どちらかを犠牲にするようなライフスタイルは持続できません。仕事に対して前向きでも、健康が保たれていなければ、動きたくても動けないという問題が発生するおそれがあるので注意してください。
理由3 ワークライフバランスが崩れている
第3に、仕事と私生活のバランスが崩れていることが原因で職場に行くのがしんどいと感じているのかもしれません。
いうまでもなく、人間は仕事だけに生きているわけではありません。家族、趣味、学習など、私たちの人生には多くの要素が存在します。もちろん、働き盛りの世代にとっては仕事に多くのエネルギーを注ぎ、成功しようと考えるのは悪いことではありません。
けれども、私生活が荒れているなかで仕事ばかりに注力していると、ふとしたときに虚しさを感じることもあるのではないでしょうか。特に、自分の周りが仕事以外にも充実した生活を送っていることを知ったときに、心なしか欠乏感を抱くこともあるでしょう。
当然ながら、年齢を重ねるごとに不自由が増えていきます。そのときに仕事しかしておらず、家族や友人とのかけがえのない時間や自分のために投資する時間がないと、寂しい人生になるかもしれません。
理由4 将来に漠然とした不安を感じている
第4に、将来に漠然とした不安を感じていることが原因であると推察されます。
現状の仕事に対して満足していたとしても、「今のままで本当によいのか?」という問いかけに前向きに答えられるとは限りません。むしろ、目の前のことでせいいっぱいになっているあまりに、将来のことをなおざりにしていると、ふとしたときに漠然とした不安に苛まれるおそれがあります。
もちろん、未来のことはだれにもわかりません。その意味では、計画に依存するのは危険です。思った通りにならないのが人生ですから、予測不能な社会の現実に柔軟に対応するのも生きる術として重要です。けれども、これから先の過ごし方が不明瞭すぎるのは決してベストな状態とも言えないでしょう。
その意味では、仕事が嫌いではないのに「行きたくない」という感情が生まれたときは一度、自分の人生について考えるよい機会と捉えることをおすすめします。
仕事に行きたくないときに上手に休む方法
それでは、仕事に行くのが億劫に感じたときは、具体的にどうすればよいのでしょうか?
ここでは、上手な休み方を3つ紹介していきます。
方法1 有給休暇を消化する
はじめに、思い切って有給休暇を消化しましょう。
いうまでもなく、有給休暇の消化は労働基準法に定められる義務です。そのため、会社は従業員に対して必ず有償の休みを取らせなければいけません。だからこそ、原則としては堂々と休みを取得すべきなわけです。
とはいえ、現実はそう簡単ではなく、休みたくても休めないという状況に追い込まれている人たちもいるでしょう。しかし、それは裏を返せば、自分を大切にできない職場であるとも言えます。自分を大切にできなければ、当然、家族や友人と過ごす時間もありませんから周りの人たちも大切にしづらいとも言えます。
その意味では、有給休暇すら気軽に取れない職場に定年まで勤めるのはやめたほうがよいかもしれません。無論、考え方はそれぞれですし、立場もあると思いますが、「仕事に行きたくない」という感情を飲み込んで、無理やりに職務に徹しようとしてもうまくいきません。まずは休みを取ることを考えましょう。
方法2 信頼できる人に相談する
続いて、信頼できる人に相談しましょう。
自分で原因がわからないときでも、他人の手を借りることによって問題の本質が明らかになることがあります。大人になれば、だれだってそれなりに仕事で悩むことがあるはずです。
とりわけ、仕事に対して嫌悪感を抱いているわけではないのに「行きたくない」という矛盾した感情が出るのは、自分のピンチを知らせる信号である可能性が高いと考えられます。いざという時に相談できる相手がいない人はカウンセラーを頼るのも一つの手段です。
まずは自分だけで思考するでのはなく、客観的に問題を捉えてくれる相手を見つけてみましょう。
方法3 転職を本気で考える
最後に、転職を本気で考えるのも手段のひとつです。
仕事が嫌ではないのに「行きたくない」という感情の背後には、今いる場所ではもう充実した生活を送れないという証左かもしれません。だれにでもスランプと呼ばれる不調は起こり得ますが、それが長続きする場合には、思い切って環境を変えるのも大切な選択です。
心の持ちようで全てを何とかできるという根性論も時には必要ですが、環境も自分の一部です。つまり、感情は自分の一部であり、それだけで物事をコントロールできるほど心理は万能なものではないはずです。家が燃えているのに心の中で熱くないと念じるのは道理に反する愚かな行為ですよね。
まずは家から出る。その環境を変える一手が漠然とした問題を大きく好転させる可能性があるわけです。仕事が好きで頑張ってきたのなら、新しい環境でも活躍できるはずです。
自分の市場価値を改めて、確認する意味でも、実際に仕事を変えるかは別として、転職サービスにとりあえず登録して様子を見るのもよいのではないでしょうか。
心の信号を見逃さないで!
「仕事に行きたくない」という感情が甘えとは限りません。そこには、自分が向き合ってこなかったネガティブなものが潜んでいるおそれがあります。「まあ、大丈夫だろう」と楽観的に考えるのもよいですが、とことんまで問題を追求して、状況を好転させるための具体的な行動を取ったほうが同じことを繰り返さずに済みます。
人に迷惑をかけるのが辛いと考える人もいるかもしれませんが、生きている以上、他人に負担をかけないなんて無理です。そこをすっぱりと諦めて、お互いに迷惑を掛け合いながら、生きている人間の摂理を勇気を出して認めてください。完璧を求める人生は辛いです。
それよりも、不完全だからこそ他人の存在に感謝できるほうが幸せなのではないでしょうか。
コメント