妊娠初期はホルモンバランスの変化で体調が不安定になりやすいと言われています。そのため、「だるさ」を感じて仕事を休もうと考える人たちもいるはずです。しかし、いざ欠勤しようと上司に相談すると、「産休前に休むなんて甘いぞ」と説教されることもあるかもしれません。
実際のところ、妊娠初期に仕事を休むのはいけないことなのでしょうか?
この記事では、「妊娠初期でだるいと仕事を休むのは甘えか?」という疑問について考察しています。また、考え方の違いや注意点も説明しているので、妊娠中に仕事で悩んでいる人たちは参考にしてみてください。
妊娠初期でだるいと仕事を休むのは甘えか?
さて、妊娠初期につわりなどの症状でだるいことを理由に仕事を休むのは、甘えなのでしょうか?
結論から言えば、妊娠初期の状態には個人差があるため、だるくて仕事を休むから「甘い」と決めつけるのは軽率な判断であると言わざるを得ません。最悪の場合、その言葉がきっかけで離職する可能性もあるので、くれぐれも言葉遣いには注意してください。
もちろん、産休や育休前にもかかわらず、「だるい」と休まれると仕事に悪影響が出るのは理解できます。しかし、結婚している女性を雇用する以上、妊娠時に仕事を休むのはわかりきっていることです。そこに対応せずに、「甘い」と言い放つのは単なる無知にすぎません。
妊娠初期に体調不良で休む人が甘いと言われる理由
とはいえ、妊娠初期で休む人たちに対して「甘い」という方にも、それなりの理由があります。
一概には言えませんが、ここでは代表的な3つの理由を紹介します。
理由1 自分は休まなかった
第1に、女性の上司や同僚が妊娠時に休まなかったことから「甘い」と考えているのかもしれません。
いうまでもなく、同じ妊婦と言えども個人差があります。それでも、自分も妊娠中に頑張って働いたという自負が強く、相手にもまた同じ水準を求めてしまうわけです。とりわけ、自分にストイックな人は本当に大変な思いをして仕事に打ち込んでいた可能性があります。
だからこそ、だるいと休みがちな人に対して「甘い」という感情が芽生えてしまうのです。自分にも厳しい分、他人にも厳しくなってしまう人が陥りがちな状態と言えるでしょう。
理由2 妊娠は自己責任と思っている
第2に、妊娠は自己責任と思っていることから「甘い」と思っている可能性があります。
たしかに、職場の人たちからすれば、他人が妊娠しようがどうでもよいことなのかもしれません。しかし、女性と一緒に働く以上、妊娠による休息は必要不可欠です。それにもかかわらず、自己責任論として片付けてしまうのは時代錯誤としかいいようがありません。
もちろん、妊娠した人も可能な限り、会社に貢献するための行動が必要です。融通を聞いてもらう以上は自分なりの誠意を見せないと、職場の人たちから冷遇される危険性があるので注意しましょう。
理由3 みんなも頑張っている
第3に、「みんなも頑張っているんだから自分だけ休むなんて甘い」と言う人たちもいます。
職場には、持病を抱えていたり、育児と両立していたりと、仕事との両立に苦労している人たちもいるかもしれません。それを踏まえると、妊婦だけ特別扱いできないというのは理解できます。
しかし、だからと言って、「苦しい状態を我慢して働け」というのはパワハラと言っても過言ではありません。むしろ、みんなも心身に不調を感じたときは休むべきなのです。マイナスの方向に全員で頑張って、お互いに足を引っ張り合う組織は腐っています。
妊娠初期で仕事を休むときの注意点
なお、妊娠初期に休むことに対する価値観は人それぞれで異なります。それでも、休暇をもらえたときは次に挙げる点に注意してください。これらを守らないと、職場での人間関係に亀裂が入ってしまうおそれがあります。
妊娠初期で仕事を休むときの注意点
- 注意1 仕事を代わってくれた人のために引き継ぎをちゃんとする。
- 注意2 休んだことで負担をかけた人に謝意とお礼をする。
- 注意3 クライアントに休むことを事前に伝えておく。
上記の注意点を守るように心がけましょう。どこまでいっても、休暇は人間関係が充実していないと取りづらいのが現実です。日頃から丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。
休職や退職も視野に入れよう
しかしながら、企業によっては妊娠している従業員を冷遇するところもあるでしょう。金銭的な心配もあるかもしれませんが、その場合は休職や退職も視野に入れておくことをおすすめします。
一時的に借金をしても、出産後にしっかり働けばよいんです。大切なのは自分と胎児の命です。もちろん、そんな簡単な話ではないのですが、最終的には決めるしかありません。不平・不満を口にしているだけでは状況は何一つ変わることはないでしょう。
いずれにしても、無理し過ぎると後悔することになりかねません。パートナーや両親に相談して、自分の体調に適した妊娠期間を過ごすことが大切です。
コメント