休職中に退職するのは珍しいことではありません。とりわけ、ブラックな職場で心身を壊した人たちからすれば、「いつまでも働く場所ではない」と感じて転職しようとするのは自然なことです。
しかしながら、いざ退職が決まったときに多くの人が直面する問題が、会社に残している私物の取り扱いです。実際、長期にわたって休んでいるなかで荷物を取りに行くのは気まずいですよね。
この記事では、「休職のまま退職した時の荷物はどうする?」という疑問について考察しています。また、私物を取りに行けない時の対処法も紹介しているので、休職中に退職が決まった人たちは参考にしてみてください。
休職のまま退職した時の荷物はどうする?
さて、休職のまま退職した時に、会社に置いている荷物はどうすればよいのでしょうか?
結論から言えば、自分の私物があるなら退職前に必ず取りに行きましょう。そのままにしておくと、職場の人たちが処分に苦労します。とりわけ、カバンやPCなどの高価なものが置きっぱなしになっていると、捨てようにも捨てられずに迷惑をかけます。
「最後の最後まで面倒をかけやがって……」とネガティブな印象を持たれないように可能な限り自分で持ち帰る手筈を整えましょう。その際は、退職時の挨拶を済ませておくことをおすすめします。菓子折を用意して礼儀正しく振る舞い、去り際は美しくする癖をつけると印象もよいはずです。
なお、休職期間が長期にわたっていた場合、他の人がデスクを使用することもあるため、あなたの荷物が一時的に別な保管場所に移されているおそれがあります。その際に、よくあるのが紛失や盗難です。置きっ放しにしているがゆえに確実にあったことを証明するのが難しく、泣き寝入りするケースもあるので早めに回収することを推奨します。
私物を取りに行けない時の対処法
とはいえ、あまりにも気まずくて私物を取りに行けないという人たちもいるはずです。
実際、職場の人間関係がよくない場合、荷物を取りに行くだけで嫌なのは理解できます。
その時は、どのように対処すればよいのでしょうか?
ここでは、大きく3つの対応策を紹介していきます。
方法1 同僚に郵送を依頼する
第1に、同僚に私物を自宅に郵送してもらいましょう。
あなたの職場に信頼する友人がいるなら、その方に頼むのが一番よいです。むしろ、仲が良い人がいないならば、郵送を頼むのは難しいかもしれません。
荷物の郵送を頼むときは以下のポイントに注意してください。
同僚に郵送を依頼するときのポイント
- その1 私物の量とサイズを考慮して郵送の可否を検討する。
- その2 同僚に負担をかけないように着払いにしてもらう。
- その3 依頼を受け入れてくれた同僚への感謝の意を示し、適切なお礼を考える。
「親しき仲にも礼儀あり」という言葉がありますが、同僚も退職するあなたの荷物を整理するのは面倒なはずです。負担をかける以上、御礼はしっかりしておきましょう。
方法2 代理人に取りに行ってもらう
第2に、家族をはじめとする代理人に取りに行ってもらうという対処法があります。
本来的には、会社が部外者の立ち入りを許可するとは考えづらいです。けれども、心身の不調で私物を取りに行けないといった特別な事情があれば、例外的に許されるでしょう。
ただし、いきなり家族が荷物を回収に行くと、職場の人たちがびっくりするおそれがあるので、事前に日程を上司に知らせておいてください。セキュリティの関係上、部外者が来社するときは事前に許可を取得する場合もあるので要注意です。加えて、次に挙げるポイントを守るよう心がけましょう。
代理人に私物を回収してもらうときのポイント
- その1 会社の場所と上司の連絡先を伝えておく。
- その2 私物の内容が記載されたリストを渡しておく。
方法3 不用品なら処分してもらう
第3に、私物が不用品なら処分してもらうのも選択肢のひとつです。
実際、会社に置きっ放しにしているくらいの私物ですから必要なものではない可能性が高いですよね。それなら、いっそのこと捨ててもらったほうが楽です。とはいえ、処分するのにも手間がかかりますから、お願いするなら以下のポイントを明確にしておきましょう。
不用品を処分してもらうときのポイント
- その1 個人情報を含む書類などの処分方法を具体化しておく。
- その2 会社で処分できないものが見つかったときの連絡先を共有する。
- その3 処分が終了した際には細やかな御礼と手紙を郵送する。
無理して取りに行かなくてもよい
休職したまま退職するときは職場の人たちに合わせる顔がないと感じるのもよくわかります。実際、心身の状態が良くないときは無理して私物を取りに行くために出社せずとも代替案を利用すれば、問題ありません。ただし、時計やバッグなどの貴重品がある時は家族などの信頼できる人にお願いしましょう。
体調を壊したことがきっかけで働けなくなると、これから未来が不安になる人もいるでしょう。けれども、だれしもが最初から最後まで順風満帆に終わるわけではありません。人生には予期せぬ困難がつきもので、成功し続けるよりも困難を乗り越える力を少しずつ身につけることが大切です。
焦らずに、まずは心身の不調を回復させながら、未来に向けて自分のリズムで羽ばたくための準備をしましょう。
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