会社で働いていると、同僚や部下が突然休職するといったトラブルに見舞われることもあります。メンタルヘルスや交通事故など病気や怪我で休まざるを得ない人たちがいるわけです。とはいえ、休職した人へのフォローアップなどを含めて初めての経験だと、具体的な対応について判断できないですよね。
この記事では、同僚や部下が突然休職した時にすべき4つのことを解説しています。また、「休職に対して迷惑と感じ人は多いのか?」という疑問について言及しているので、身近に休職した人がいる方たちは参考にしてみてください。
同僚や部下が突然休職した時にすべき4つのこと
さて、同僚や部下が突然、休職した場合、どのように対応するのがよいのでしょうか?
一概には言えませんが、ここでは大きく4つの視点からすべきことを紹介していきます。
その1 復職までの対応を確認する
第1に、あなたが休職した人の上司である場合、産業医や担当部署に復職までの具体的な対応について確認してください。
実際、自分の勝手な判断で対応すると、医療機関や家族から「あなたのせいで病状が悪化した」と責任を追及されるおそれがあります。訴えられるケースもあるので注意しなければいけません。したがって、自分の身を守るためにも、まずは専門家の意見に即した休職者の対応を学ぶことが重要なのです。
加えて、厚生労働省では、休職者した労働者の職場復帰支援に関する手引きなど役立つ資料が公開されているので、チェックしておくことをおすすめします。
その2 退職する可能性を考慮する
第2に、休職した人がそのまま会社を退職する可能性を考慮しておきましょう。
休職の理由はさまざまですが、復帰を望まない人たちは転職活動を始める場合があります。冷静に考えると、長期間にわたって休んでしまった後に職場に戻るのは精神的にも辛いことです。もちろん、会社としては復帰を前提に休職させているわけですが、退職を決意する人と留めるには限界があります。
したがって、戻ってこない可能性があることを考慮してチームマネジメントを行う必要があるのです。もちろん、予定通り復職する人もいます。こればかりは最後までわからないのが実情でしょう。臨機応変と言うと無責任に聞こえるかもしれませんが、いずれの結果でも対応する柔軟性が求められます。
その3 負担が偏らないようにする
第3に、休職者によって発生した負担が他の従業員間で偏らないように注意しましょう。
突如として休職する人が出た場合、それまで本人が担当していた業務を速やかに引き継がなければいけません。とりわけ、クライアントがいるならば、相手先に関する情報をも含めて他の担当者に情報を共有する必要があります。
しかしながら、これらに付随する業務が一部の人に偏ってしまうと、不満が生まれるおそれがあります。だれだって給与は変わらないのに負担だけが増えてるのは納得がいきません。最悪の場合、休職者以外の人が退職する可能性もあるでしょう。できる限り、公平な業務の振り分けを心がけてください。
こうした配慮を怠ると、休職者が復帰したときに周りから冷たく対応されるおそれもあります。その結果、離職してしまえば、管理職としてのマネジメント能力が低いと評価されてしまうかもしれません。
産業医が直ちに休みを取る必要があると判断した場合、引き継ぎがうまくできないおそれもあるので注意してください。
その4 スタッフを一時的に増やす
第4に、派遣やパートでスタッフを一時的に増やすことも検討しましょう。
繰り返しになりますが、休職した人が抜けた穴を既存の社員で埋めようとすると、不満が生まれるおそれがあります。その結果、退職や休職のリスクが高まるくらいなら、派遣社員やパートアルバイトを活用して、少しでも日常業務の負担を軽減する措置を実行したほうが持続的です。
もちろん、会社として金銭的な損失を被るわけですから一筋縄ではいかないかもしれませんが、だれかを犠牲に問題を解決するのは、また別なトラブルを引き起こしかねません。目の前のお金も大切ですが、中長期的に職場環境を悪化させない選択を取るのも経営判断として重要でしょう。
突然の休職を迷惑だと感じる人は多い?
株式会社キャリアデザインセンターが実施したメンタル不調による休職をテーマにしたアンケート調査では、休職中の不安として「職場に迷惑をかけていないか」の項目が3番目に多い結果が出ています。休職する以上、迷惑をかけるのは仕方がないとはいえ、大半がネガティブに捉えるのでしょうか?
結論から言えば、休職によって発生したしわ寄せが職場の人たちにとって大きな負担になっている場合、迷惑だという感情が生まれる可能性はあります。相手の立場になってみると、給与は変わらないのに、突然仕事量が増えて余裕がなくなれば、その矛先が休職者に向けられるのは仕方がありません。
その意味では、職場環境によって休職に対する迷惑という感情の度合いは大きく左右されると言えます。実際、どのような企業でも休職者が出るリスクがある以上、本人の問題というよりも突発的な人員不足への対応策を図る企業の人事やマネジメントの問題なのです。
不満を放置したままにしておくと、休職者が復帰しづらい雰囲気が生まれます。その結果、退職したり、再び休職したりするリスクが高まるおそれがあるので気をつけてください。
突然の休職で迷惑をかけるのは仕方がない
病気や怪我は突発的に起きるものも多く、突如として休職者が出るのは決して珍しいことではありません。むしろ、ほとんどの場合が突然であることを覚えておきましょう。そして、だれしも心身の健康を損なうリスクがある以上、休職で迷惑をかけるのは道理です。
そのため、「迷惑をかけるのは悪いこと」と考えるのはやめましょう。それは無理な話なのです。ほぼ確実に迷惑をかけると思っておくべきです。だからこそ、まずは心身の回復に努めたうえで、復帰後に職場の人たちが「戻ってきてくれてよかった」と思えるような働き方で挽回すればよいのです。
決して簡単なことではありませんが、プラスを更新し続けるような働き方は長続きしません。マイナスからプラスにする忍耐力を身につけることも大切です。人は一人では生きていけないのですから、迷惑をかけるのは仕方がないのです。
周りも責めることなく、自分が同じ立場だったらどうしてほしいかを考えて行動するよう努めましょう。
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