有給休暇は労働基本法で認められている従業員の権利です。したがって、雇用主が恣意的に拒否することは法律に違反するおそれがあります。
しかしながら、現実は有給を取れない雰囲気が漂う職場も存在しており、思ったとおりにならない人たちもいるはずです。とりわけ、正社員として働いている人たちからすれば、使用者が時期を指定して取得させる義務のある5日だけしか休みをもらえないのは辛いですよね。
この記事では、正社員なのに有給を5日しか取らせてくれないときの対処法4選を解説しています。職場で思うように有給を取得できない人たちは参考にしてください。
正社員なのに有給を5日しか取らせてくれないときの対処法4選
さて、正社員として働いているにもかかわらず、有給休暇を5日しか取らせてもらえないときは、どのように対応すればよいのでしょうか?
ここでは、大きく4つの方法を紹介していきます。
方法1 適切な理由を説明する
はじめに、有給休暇を取得する適切な理由を説明することで、5日以上の休みを認めてもらえる可能性があります。具体的に、次のようなケースは有給を認めてもらえると推定されます。
適切な理由の例
- その1 健康上の理由
- その2 家族の緊急事態
- その3 メンタルヘルスの問題
有給の動機を具体的に示すことで上司にも納得してもらいやすくなるはずです。ただし、嘘を言うのは、バレたときに信用が失墜する危険性があるので注意してください。
方法2 日頃の勤務態度から信頼関係を作る
続いて、日頃の勤務態度から信頼関係を作ることで有給を取得しやすい状況が生まれるかもしれません。
いうまでもなく、営業日に休むと、他の社員に少なからず影響が出ます。例えば、あなたが担当する領域の新規顧客からの問い合わせがあったときに、だれかが代わりに対応しなければいけないわけです。すなわち、上司や同僚、後輩に休んだ分のしわ寄せが発生するかもしれないのです。
だからこそ、職場の人たちから信頼されていないと、有給休暇の取得がきっかけにトラブルになってしまうおそれがあるのです。逆に、みんなと良好な関係を築いておけば、5日以上の有給を申請しても、認めてもらいやすくなる可能性があるのです。
方法3 ホワイト企業に転職する
続いて、ホワイト企業に転職するのも現実的な選択肢です。
有給休暇の取得は法律で義務付けられている労働者の権利です。それにもかかわらず、5日しか休みを取れない環境は良いとは言えません。そもそも、会社それ自体に余裕がないため、従業員に負担をかける構造になっている可能性が極めて高いでしょう。
したがって、そのような環境で有給を5日以上取ろうとすれば、社長や上司から白い目で見られてしまうおそれがあります。その意味では、職場それ自体を変更しない限り、有給を十分に取得するのは難しいでしょう。
長い目で見れば、ブラック企業に勤め続けると、金銭だけではなく時間という取り返しのつかない財産を失い続けることになります。その結果、ホワイト企業に転職できなくなるかもしれません。勇気を出して賢明な判断を心がけましょう。
方法4 労働基準監督署に相談する
最後に、労働基準監督署に対処法を相談してみましょう。
労働基準監督署は、労働基準法に関連する問題について助言や指導を行っている政府機関です。労働者が自身の権利について不明確な点や、企業側が法律に違反していると感じた場合、労働基準監督署に相談することが可能です。
対面以外にも労働条件相談「ほっとライン」というサービスも開設されているので、有給の取得で悩んでいるときは利用してみてください。
とはいえ、第三者機関に相談していることがバレると、職場で不利な状況が生まれる可能性が高いと言えます。そのため、同僚をはじめ内部の人間に労働基準監督署の相談サービスを使っていることは言わないほうがよいでしょう。場合によっては、退職も念頭においたほうがよいかもしれません。
転職を検討しよう
日本の労働基準法は、労働者の権利と安全を保障するための法律です。労働基準法には、労働時間、休日、休暇、賃金など、労働者の基本的な権利に関する規定が定められています。
例えば、有給休暇についても、正社員の場合、勤続6か月以上であれば、最低でも年間10日の有給休暇が付与されることが法律で定められています。
けれども、人手不足などを理由に有給を取りづらくしている会社も存在します。法律違反は許されないものの、その事情を無視して5日以上の有給を取れば、社長や上司から冷ややかな目で見られる可能性が高く、職場に居づらくなってしまうでしょう。
こればかりは会社を変える以外に有効な選択肢はないと考えられます。転職するのは面倒なことに違いありませんが、ブラックな環境に慣れたままでいると、家族や趣味にかける時間が失われて、雇用主に利用される人生になってしまうでしょう。冷静になって、「今のままでよいのか?」を考えてみましょう。
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